絵はすぐに上手くならない 読感

 絵を描き初めて一年が経ちますが、恥ずかしながら僕は今まで絵に関する技術書や指南書を買ったことがありません。というのも普段は好きな作品の好きなキャラクターを模写するのがメインなのと土日に図書館に行けば絵に関する資料はすぐに手に入るからわざわざ買う必要はないかなと、その金で好きな作品のイラスト集を買って模写する方が絵の上達には断然効率がいいと考えていたためです。
 では、なぜ今回この本を手に取ったかと言うと「絵がうまくなる上でこの本が目標に到達するための地図になり得るかもしれない」と本書の前書きを読んで思ったからです。趣味で絵を描きたいと願う社会人にとって時間が少ないというのはかなりネックです。しかし絵の上達への近道は「ひたすら書く」という非常に曖昧で気の遠くなるような文言で片付けられています。
 いや、そうじゃないんだよ。○○ができるようになりたいんだったらこういう練習をするといいよ。××という練習法はこういうことをやるんだよ。と教えてくれるのがまさにこの本の存在理由であり一通り読み終わったあと「やることいっぱいだな……」と悲観もしましたが今まで手探りでやってきたぶんある程度の道筋が見えてきたのかなと、次にやらなきゃいけないのはこれかなと、はっきりしてきたのはよかったと心から思っています。

 ただ、注意したいのがあくまでこの本は絵というジャンルに関する地図であり、技術に関することはほとんど乗っていません。技術を学びたい!○○ができるようになりたい!と思って買うと期待はずれに終わります。でしたら他の参考書を買うなりあなたの本棚に眠っている参考書をとりだせば充分だと思います。

 絵を描いてみたいと思う人や僕のようにこれからどうすればいいのかわからないといった迷い人に本当におすすめの本です。気になった方は書店で前書きだけでも読んでみると良いかもしれません。

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